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おどるあほうの日々

おどるあほうの日々

26/初めての演出

はじめて、演出というものをやってみた。

今までも何度か、それに近いことはやっていたが、既製の脚本で、最初から最後まで、自分が船頭さんになるのは、はじめてだ。

なにしろにわか演出なので、最初、ほんとに、どうしたらいいかわからなくて、ちょっと途方に暮れたり、
少しなれてきたら言葉がうまく使えなくて、思ったことをきちんと伝えられなかったり、と、いろいろあったが、
一番大変だったのが、「自分も出演する」ということ。

私は役を演じるとき、その役のおかれている状況を理解し、それをことこまかに想像したうえで、体を通して演じてみたときに、どんな感情が吹き出てくるか試して、役をつかもうとする。
本気で事細かに想像した上で演じないと、どんな感情がわいてくるかわからない。

ところが、自分の場面をつくるとき、「本気で事細かに想像する」時間がない。相手の演技、全体のバランス、いろんなことに気をとられる。
通しでも、直前まで客観的なのうみそになっているから、ぱっきりときりかえられない。

私の役がみえてこないから、演出するにも方向性が定まらない。悪循環。

対して、他の二人のシーンはどんどんできあがっていき、こうすればもっとよくなる、という、いじりどころもみえてくる。場面に差がつくのではないかと、恐ろしい。

めどがたたないまま、ちゃくちゃくと本番は近づいてくる。いよいよの段になって、自分の役ってどんなかんじかなと、共演者に相談してみた。自分の役がわからないと、弱音を吐いたら楽になった。

演出だから、しっかりした方向性をもって、しっかり導かなければと、ちょっと気負っていたみたい。

今までうけた演出や、読んだ演出論の本が、お手本にはなっているけれど、今の私の状況の参考などどこにもあるはずがなく、自分のやり方は、自分でつかむしかないんだと、ほとほと実感。


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